一級建築士事務所 佐藤靖生建築研究室 blog         

府中市の設計事務所、耐震診断、耐震補強設計、監理もお任せください           1

 屋根裏は断熱層

夏の暑い日ざしは屋根の瓦を容赦なく暖めます。その熱は屋根裏に伝わってゆきます。夏場に屋根裏に潜ると猛烈に暑く、5分もすると作業服まで濡れるほど汗だくです。しかし、この屋根裏がなければこの熱は部屋の中に入ってしまいます。屋根裏は断熱の役割や熱の伝わりを緩やかにする緩衝部分でも有るのです。

  • 昭和56年前後の住宅に多く見られる不思議な工事の例をご紹介します。

一般の住宅の屋根の妻側(雨どいがつかない、斜めの側)には、その屋根の熱気を喚起する為の「孔」が空けられています。スリット状であったり格子状であったり、飾りがついているなど見た目は色々です。屋根裏の熱気を喚起するこの孔ですが、驚くことに只の「飾り」で実際には孔が開いていないことがあります。空いていたとしても見た目の「孔」の一部だけで、換気量が不足している事も珍しくはありません。
夏の熱気や、露の湿気などはこの換気孔が無いと室内に家の中に溜まり、暑かったり、湿気で屋根の下地が痛んだりして、家の寿命を短くする要因となりかねません。「孔」が大きすぎると冬は冷気が入り込み「寒い」という事も有るので、程よい換気が必要です。一歩進めてより効果的な方法も有りますが別の機会に譲ります。
なかなか、お客さまが屋根裏や床下の点検をすることはできませんが、ご自宅の健康診断として一度確認される事をお勧めします。